ぼーっとする集会

鬼才の実験場

昨夜は23:30から、プレイべ達人たくみ氏の「ぼーっとする集会」へ。
(※2024年10月21日の日記です)

90分間、ぼーっとするだけの集会です。
場所は、カーラモーラ村の「浄月の間」

スマホ禁止。寝落ち禁止。会話禁止。
(カッコ書き)を用いた「ひとり言」のみ可、という上級者向けイベント。
つまり、(腹へった)はOKだけど、人に話しかけたり反応するのはダメです。

寝転んだり、座った状態でぼーっとしますが、ぐーぐー寝ちゃだめです。
表情は、目を開けた「無表情」や「おびえ顔」が推奨されています。

たくみ氏のイベントほんと好き。
これまでのイベントも、告知ではナンセンスに見えて、やってみると心の奥底に響いてくる行動心理実験的な側面がありました。
純粋な娯楽というより、「心の爪痕」みたいなものを生み出せる、プレイべ界の「鬼才」と言えましょう。

イベント開始

今回は、90分の長丁場。
たぶんつらいのは「退屈」だろうなと、やる前は思ってたんです。

ぜんぜん違った!
真の敵は、「周りのひとり言にリアクションしたい」だったんです。

たとえば、誰かが何の脈絡も無く、ひとり言をつぶやく

 (なんで「最初はグー」なんだろう・・・)

こんなの、ツッコミや便乗ネタを10個くらい思いつくじゃないですか。
でも会話しちゃダメなので、ただぐぬぬと唇を噛む。

悔しいからこっちも、周りがツッコミたくなるようなネタを考えたり。

 (たくみ氏には足を向けて寝られない・・・)

ツッコミたくなってもらえたかしら・・・?

40分経過

30分を過ぎた頃には、言葉遊びも出尽くして。
そんなウケ狙いが、だんだん浅ましい気がしてきました。

徐々に口数が減り、白チャの内容が内省的になっていきます。
人生とは・・・己とは・・・愛とは・・・死とは・・・宇宙とは・・・
一種のトランス状態を感じます。

70分経過

トランス状態になってから、さらに30分が経過し
このイベントの特殊性がわかってきました。

会話と違って、リアクションも話題の連鎖も無い
だから、ずっと思考がスタート地点にいられる。

でも、自分だけでおこなう「瞑想」ともちがう。
だって、リアクションは無いけど、周りのみんなは間違いなく聞いてくれてるわけで。

「ひとり言を大勢が聞いてくれている」

人生において、誰もこの状況になった経験がないんですよ。
この人生初の状況にこそ、謎のデトックス効果がある気がしました。

そして、90分

90分。イベント終了。
目に見える形で残ったものはなく、変化は各自の心の中だけに。

集合写真を撮って、イベント終了です。

その後、有志で感想戦をしました。
感想戦がしたくなる劇薬イベントとも言えるし、単純に普通の会話に飢えていたとも言える。
参加メンバーを、90分共に戦った戦友みたいに感じました。

感想戦

まとめ

当イベントの告知には、こうありました。

日課、週課、生産性、効率性、光の速さのごとく更新される情報社会。そんなティアを生き抜くためにも、ぼーっとした時間を作り、心に余白を作ることはとても重要だと考えます。

たくみ氏、2024/10/16公開「ぼーっとする集会」告知文より抜粋

開催者が意図した浄化効果があったか不明ですが
少なくとも、「効率」や「スマホ」や「インプレッション」から解放された90分でした。

「第2回 ぼーっとする集会」待ってます。
次回は、もっと効率よくぼーっとできる自信があります!
・・・ん?



おまけ

集会解散後。
深夜1時過ぎだけど、このまま寝るのは無理。
「リアクションある普通の会話がしたい!」以外の感情が消え去り、まだ開いていた雑談カフェ「ダ★ヌーン【深夜版】」へ。
リアクションの洪水が、断食後のカツ丼のように沁みた日曜深夜。

雑談カフェ「ダ★ヌーン」